東京・茗荷谷に店を構えて45年、世界の料理人が絶えず見学に訪れるお菓子調進所「一幸庵」。店主の水上 力氏を〝親父さん〟と慕っているのが、洋菓子の本場・パリで人気を博し、国内外で計14店舗を展開するSadaharu AOKI paris オーナーシェフの青木定治氏。20年来の仲である二人はいかにして和菓子と洋菓子、それぞれの世界を牽引してきたのか。その実践の歩みを辿ることで、一流の仕事とは何かが見えてくる。
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一幸庵店主
水上 力
みずかみ・ちから
昭和23年東京都生まれ。江戸菓子屋の四男として育つ。京都・名古屋で約5年間、和菓子職人としての修業を積み、52年東京・茗荷谷に「一幸庵」を開店。「エコール・ヴァローナ 東京」や「ジャン・シャルル・ロシュー」といった国際的なパティスリーメゾンとのコラボを積極的に行う。著書に日英仏の3か国語で書いた『IKKOAN 一幸庵 72の季節のかたち』(青幻舎)の他、『和菓子職人 一幸庵 水上力』(淡交社)がある。
Sadaharu AOKI paris オーナーシェフ
青木定治
あおき・さだはる
昭和43年愛知県生まれ。青山シャンドンで働いた後、64年に渡仏。平成7年仏・パティシエの登竜門「シャルル・プルースト杯」において味覚部門優勝。現在パリに5店舗、日本に9店舖を持つ。30年フランスの権威あるショコラ品評会「C.C.C.(ClubdesCroqueurs de Chocolat)」にて、5年連続最高位、8年連続の受賞。著書に『パリ発! サダハル・アオキのフランス菓子』(NHK出版)『サダハル・アオキのお菓子』(角川マガジンズ)など多数。