江戸時代から代々続く「鞘師」の6代目として、日本刀の拵(外装)のコーディネートや文化財の修理・復元に携わり、その卓越した技術が国内外から高い評価を得る髙山一之氏。80歳になるいまなお、2倍、3倍の努力を信念に、一道を歩み続ける髙山氏が語る人生・仕事をひらく要諦——。
美術刀剣鞘師
髙山 一之
たかやま・かずゆき
昭和15年東京生まれ。37年法政大学を卒業後、鞘師の父に入門。同時に人間国宝・藤代松雄の元で刀剣研磨の修業を積む。また、漆塗師の佐藤紫川について3年間漆塗の修業も併せて行う。平成9年、正倉院の依頼で「黒作大刀拵」を製作。12年にはロンドン大英博物館が所蔵する刀剣50振り以上の拵を修理。その後も藤ノ木古墳より出土した大刀拵の復元、全国の神社仏閣に伝来する刀の白鞘の製作、修復、復元を手がける。令和2年春の叙勲で「旭日双光章」受章。公益財団法人日本刀文化振興協会常務理事。美術刀剣外装技術保存会会長などを務める。DVD出演に『拵・刀装具の美 高山一之の世界』(クエスト)がある。