70数年もの歴史を通じて、更生教育の伝統を育んできた奈良少年刑務所。寮 美千子さんは、そこに収監された少年たちを相手に、10年にわたり詩作の講師を務めてきた。塀の中でつぶさに見てきた少年たちの素顔は、それまでに抱いていた犯罪者のイメージとはかけ離れたものだったという。人生観をも一変させた忘れがたいエピソードを交え、いま自身を突き動かす思いをお話しいただいた。
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作家
寮 美千子
りょう・みちこ
東京都生まれ。外務省勤務、コピーライターを経て、昭和61年毎日童話新人賞受賞。平成17年『楽園の鳥』で泉鏡花文学賞受賞。翌年、古都に憧れ、首都圏より奈良に移住。絵本、詩、小説、自作朗読と幅広く活躍中。著書に『あふれでたのは やさしさだった』(西日本出版社)、編著に『空が青いから白をえらんだのです』(新潮文庫)、絵本に『奈良監獄物語』(小学館)などがある。