鈴木大拙の愛弟子である秋月龍珉の薫陶を受け、仏教学一筋に歩んできた竹村牧男氏。若き日の鈴木大拙が参禅し、人格を練り上げた円覚寺の管長を務める横田南嶺氏。共に鈴木大拙に私淑するお二人は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行する未曽有の時代のいまこそ、鈴木大拙の思想に拠って立つべきと口を揃える。鈴木大拙が求めた世界とはいかなるものか。そこから見えてくる私たちの生き方、考え方とは——。
東洋大学前学長
竹村牧男
たけむら・まきお
昭和23年東京都生まれ。東京大学卒業後、文化庁専門職員、三重大学助教授、筑波大学教授、東洋大学教授を経て、平成21年より東洋大学学長。令和2年3月退任。専攻は仏教学・宗教哲学。主な著書に『〈宗教〉の核心─西田幾多郎と鈴木大拙に学ぶ』(春秋社)『西田幾多郎と鈴木大拙?その魂の交流に聴く』(大東出版社)『日本人のこころの言葉 鈴木大拙』(創元社)など。
臨済宗円覚寺派管長
横田南嶺
よこた・なんれい
昭和39年和歌山県生まれ。62年筑波大学卒業。在学中に出家得度し、卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。平成3年円覚寺僧堂で修行。11年円覚寺僧堂師家。22年臨済宗円覚寺派管長に就任。29年12月花園大学総長に就任。著書に『人生を照らす禅の言葉』『禅が教える人生の大道』『自分を創る禅の教え』など多数。最新刊に五木寛之氏との共著『命ある限り歩き続ける』(いずれも致知出版社)。