「周は旧邦なりといえども、その命維れ新たなり」と東洋古典の名著『大学』にある(原典は『詩経』)。周は1,000年以上も続いた国だが、その生命は清新で古びることがない、という意味である。
「維」は強調のニュアンスをもった指示代名詞だが、日本ではこれを生かし、「維新」という言葉を創った。古来、この言葉に心を鼓舞された人は少なくないだろう。ちなみに、維新は革命とは違う。革命は根本からやりかえること、維新はだんだんに日々変化していくこと。いわば革命は外科手術、維新は内服薬療法で徐々に治していくこと、と伊與田覺著『己を修め人を治める道』は説明している。