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昭和20年8月9日、ソ連は突如日ソ中立条約を破棄、旧満州に侵攻してきた。そして打ち続く中国の国共内戦。この大混乱がもたらす難関を、現地にあった一技術者はいかに乗り越えたか――86歳になる娘が語る父の肖像。
戸城素子
としろ・もとこ
昭和5年熊本県生まれ。18年製紙技術者だった父親と母親、妹弟4人とともに旧満洲国の首府・新京に移り住む。満洲へのソ連侵攻、国民党支配、内戦などの混乱を経て28年に帰国。その間、父親とともに共産党指導下の中国吉林で製紙工場立ち上げに奔走する。