地域の過疎化や少子高齢化により、第3セクター鉄道の多くが経営難に陥っている。千葉県のいすみ鉄道と鳥取県の若桜鉄道も、かつては廃線寸前に追い込まれていた。しかし、優れた経営トップを得たことで、奇跡的にV字回復を遂げたのである。鳥塚 亮氏と山田和昭氏。共に公募社長として、資金に恵まれない中、アイデアと創意工夫によって会社と地域を甦らせた。その2人が語り合う改革の要諦と地方の生きる道——。
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いすみ鉄道社長
鳥塚 亮
とりづか・あきら
昭和35年東京都生まれ。大学卒業後、学習塾職員などを経て、27歳の時に大韓航空入社。30歳の時に英国航空に転職。副業として鉄道前面展望ビデオの販売を開始、シリーズ総計600本を超える。平成21年いすみ鉄道の社長公募に応募し、社長に就任。ムーミン列車の運行、物販の拡充、訓練費用自己負担運転士募集などの営業努力で収支を改善し、存続に筋道をつけた。著書に『ローカル線で地域を元気にする方法 いすみ鉄道公募社長の昭和流ビジネス論』(晶文社)。
津エアポートライン シニアエキスパート、若桜鉄道前社長
山田和昭
やまだ・かずあき
昭和38年東京都生まれ。早稲田大学理工学部卒業。62年からIT業界でシステム開発営業やマーケティングに携わる。平成24年由利高原鉄道のITアドバイザーに就任。25年地域鉄道の業務支援を行う日本鉄道マーケティングを設立。26年若桜鉄道の社長公募に応募し、社長に就任。29年7月より津エアポートラインのシニアエキスパートを務める。著書に『希望のレール 若桜鉄道の「地域活性化装置」への挑戦』(祥伝社)。