数多くの世界的ヴァイオリニストを育てた鈴木鎮一先生。その愛弟子である豊田耕兒氏は幼くして両親を亡くすという不幸に見舞われながら、人との出逢いと自らの努力によって運命を切り開いていった。その波瀾万丈な半生はいかなるものか。また、音楽の道一筋に80年以上歩む中で掴んだ「人生で大切な心得」「一流プロの条件」とは。
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才能教育研究会名誉会長
豊田耕兒
とよだ・こうじ
1933年静岡県浜松市生まれ。3歳の時に父に連れられて鈴木鎮一先生に師事。5歳で母を、11歳で父を亡くす。戦後、鈴木家に引き取られ英才教育を受ける。1952年フランス政府給費留学生として渡仏、パリ国立高等音楽院卒業。1962年よりベルリン放送交響楽団(現ベルリン・ドイツ交響楽団)の第一コンサートマスターを17年務める。ベルリン芸術大学ヴァイオリン科教授、群馬交響楽団音楽監督などを歴任。86歳の現在も後進の育成に余念がない。