一人の人間の中には、多くの人が重なり重なり生きているという。私たちがいまあるのは、数えきれない恩のおかげである。国も然り。受けた恩は日本人として、深く心に刻んでおかなくてはならない。敗戦後の日本に大きな光を点してくれた恩人・ジャヤワルダナ氏について、氏の故国・スリランカへの支援活動に取り組む野口芳宣氏に伺った(写真:1951年9月7日、サンフランシスコ講和会議にて演説するジャヤワルダナ氏 ©J・R・ジャヤワルダナセンター)。
コスモス奨学金副代表
野口芳宣
のぐち・よしのり
昭和21年千葉県生まれ。茨城大学教育学部卒業。大阪教育大学大学院教育学研究科修了。大阪の私立・府立高等学校等で非常勤講師を経て、千葉市立小学校、千葉県総合教育センター勤務。その後、青山学院大学教育人間科学部特任教授、共立女子大学非常勤講師を務める。現在、コスモス奨学金副代表。著書に『敗戦後の日本を慈悲と勇気で支えた人──スリランカのジャヤワルダナ大統領』(銀の鈴社)など。