時務を識る者は俊傑に在り──『十八史略』の中にある言葉である。いま、この時に、ここで何を成すべきかを識っている人こそ優れた人物だという意味である。
三国志の英雄、劉備が不遇をかこっていた時、人物の鑑識に定評のあった司馬徽に会い、「この地方に人物はいるか」と問うた時に司馬徽がいった言葉である。続けて「凡庸な者には天下の情勢は見極められない。諸葛孔明と龐士元こそ、時務を識る俊傑だ」と推挙した、という。
本特集のテーマはこの故事に由来する。いつの時代でも、天下の情勢を見極めることは人の上に立つ者にとって必須の条件と思うからである。