世界各国の飲食店や宿泊施設を選りすぐり格付けする『ミシュランガイド』で、最高峰の三ツ星を長年にわたって獲得し続けている名店がある。大阪のガストロノミーレストラン「HAJIME」と、東京のフレンチレストラン「カンテサンス」。東西の三ツ星店をそれぞれ切り盛りするオーナーシェフの米田 肇氏と岸田周三氏の歩みはまさに挑戦と創造の連続だった。お二人が語り合う一流プロの仕事の流儀に学ぶものは多い。
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HAJIMEオーナーシェフ
米田 肇
よねだ・はじめ
昭和47年大阪府生まれ。近畿大学理工学部卒業後、東証一部上場の総合部品メーカー勤務を経て、26歳で料理の道へ。辻フランス料理専門カレッジ(現・エコール辻大阪)卒業後、大阪と神戸のフランス料理店で働き、平成14年渡仏。帰国後、「ミシェル・ブラス」の支店での修業を経て、20年35歳で大阪に「HAJIME」を開業。1年5か月後に世界最短でミシュラン三ツ星を獲得。25年「アジアのベストレストラン50」に選出されるなど、世界的な評価を得ている。
カンテサンスオーナーシェフ
岸田周三
きしだ・しゅうぞう
昭和49年愛知県生まれ。高校卒業後、料理の道に進む。名古屋調理師専門学校卒業後、三重県の志摩観光ホテルや東京のフランス料理店に勤務し、平成12年渡仏。「アストランス」をはじめ複数のレストランでの修業を経て、18年東京の白金台に開業した「カンテサンス」のシェフとなる。19年史上最年少(当時)の33歳でミシュラン三ツ星を獲得。以来、現在まで15年連続で三ツ星に選出。23年よりオーナーシェフ。25年店舗を東京の品川御殿山に移転した。