5年後の生存率ゼロ%という悪性小児がんが堀内詩織さんを突如襲ったのは、2003年3歳の時だった。しかし、母・志保さんの懸命な介護、そして地元・高知のお祭りで「よさこい」を踊りたいという強い思いを胸に、詩織さんは辛い抗がん剤治療に耐え、様々な人生の苦難を乗り越え、現在に至っている。医学の常識を覆し、20歳を超えて生きる詩織さんの姿は、人間の生きる力と、意志の及ぼす力のいかに大きいかを語って余りある。その母子二人三脚の歩みこそは「不惜身命 但惜身命」と呼ぶにふさわしい。
堀内志保
ほりうち・しほ
高知県生まれ。平成12年、詩織さんを出産。3年後に詩織さんに悪性の小児がん「腎悪性横紋筋肉腫様腫瘍」が見つかり、5年後の生存率はゼロ%と宣告される。以後、15歳で新たに見つかった心臓疾患を含め、詩織さんの闘病を支え続ける。
堀内詩織
ほりうち・しおり
平成12年高知県生まれ。15年に悪性の小児がん「腎悪性横紋筋肉腫様腫瘍」を発病。5年後の生存率はゼロ%と宣告されるも、母の介護、様々な人の支え、「よさこい」を踊りたいという強い思いを生きる力に医学の常識を覆す。その姿は22年に公開された映画『君が踊る、夏』(東映)のモチーフともなった。