「かつてない困難からはかつてない革新が生まれ、かつてない革新からはかつてない飛躍が生まれる」。松下電器産業創業者・松下幸之助氏の残した言葉である。その言葉どおり、様々な困難を飛躍のチャンスとしてきたのが松下幸之助氏の歩みと言える。52年前に開かれた伝説の「熱海会議」は、まさにそれを象徴する出来事だった。会談の運営に携わった土方宥二氏と、24年間にわたり松下幸之助氏の秘書を務めた六笠正弘氏に、その熱と誠の人生について語り合っていただいた。
松下電器産業元常務取締役
土方宥二
ひじかた・ゆうじ
昭和8年新潟県生まれ。東京大学卒業後、33年松下電器産業(現・パナソニック)入社。平成2年取締役、6年常務取締役。同社顧問、客員を経て12年公益財団法人霊山顕彰会常務理事、霊山歴史館館長を歴任。
松下幸之助氏元秘書
六笠正弘
むかさ・まさひろ
昭和14年中国(旧満洲)生まれ。関西学院大学法学部卒業後、松下電器産業に入社。40年松下幸之助氏の秘書となり、平成元年松下氏が逝去されるまで務める。その後、松下氏に関する資料の整理に当たる。