片や噺家生活65周年を迎えた桂 歌丸氏、80歳。片や2代目襲名から50年の節目を迎えた中村 吉右衛門氏、72歳。それぞれ日本の伝統芸能である落語と歌舞伎の道を熱誠一貫歩み、当代随一と称されるまでに己を磨き高めてきた。互いに尊敬し合っているというお2人の達人は、いかにして一道を切り開いてこられたのだろうか。
落語家
桂 歌丸
かつら・うたまる
昭和11年神奈川県生まれ。26年11月5代目古今亭今輔に入門。後に4代目桂米丸門下となる。41年5月の日本テレビ『笑点』放送スタート時から出演。43年3月真打昇進。平成16年2月落語芸術協会会長に就任。18年5月『笑点』5代目司会者となり、28年5月より終身名誉司会者。著書に『歌丸 極上人生』(祥伝社)など。
歌舞伎役者
中村 吉右衛門
なかむら・きちえもん
昭和19年8代目松本幸四郎の次男として東京都に生まれ、母方の祖父・初代中村吉右衛門の養子となる。23年6月中村萬之助として初舞台。41年10月2代目中村吉右衛門を襲名。平成23年7月重要無形文化財「歌舞伎立役」保持者(人間国宝)認定。著書に『播磨屋画がたり』(毎日新聞社)など。