いまから100年前、ロシア革命で難民となった約800名の子供たちを船に乗せ、太平洋、大西洋を横断して親元に届けるという3か月の大救出作戦が行われた。その中心的役割を果たしたのが日本人の船会社社長と船長である。忘れられた歴史を100年ぶりに発掘し、顕彰している北室南苑さんに、男たちの偉大なる足跡についてお話しいただく。
NPO法人人道の船・陽明丸顕彰会理事長
北室南苑
きたむろ・なんえん
石川県生まれ。書・篆刻家、著述家。創作の一方、国内だけでなくオーストラリア、スコットランド、アメリカ、中国などで個展を開催。NPO法人人道の船・陽明丸顕彰会理事長として陽明丸の偉業を伝えている。著書に『陽明丸と800人の子供たち』(並木書房)『雅遊人 細野燕台の生涯』『篆刻アート』『哲学者西田幾多郎の書の魅力』(いずれも里文出版)など。