国民生活の基盤たる一次産業の衰退は著しく、農家の減少にも歯止めがかかっていない。かつて栗菓子の里と呼ばれた岐阜・東美濃地域も例外ではなかった。そんな故郷で農商工の連携を主導、〝日本一〟の栗ブランドを育てたのが、恵那川上屋社長の鎌田真悟氏だ。現在その手法を国内外で根づかせるべく奔走する氏の、やみがたい銘品づくりへの思いに迫った。
恵那川上屋社長
鎌田真悟
かまだ・しんご
昭和38年岐阜県生まれ。中津商業高校卒業後、和洋菓子製造の修業を経て61年ブルボン川上屋(現・恵那川上屋)入社。平成10年代表取締役。同年「超特選栗部会」を発足、16年農業生産法人恵那栗を設立するなど、特産物づくりを通じた地域振興に多方面で尽力。27年明治大学専門職大学院修了。近著に『栗が風を運んだ』(永末書店)がある。