致知電子版の印刷物は配布しないようにお願い致します。利用規約でも配布は禁じられています。
独自の技によって、大衆魚を高級魚に勝るとも劣らない味わいに仕立てる名人がいる。サスエ前田魚店代表の前田尚毅氏だ。店舗は静岡県焼津市に一つのみ。氏は地域住民に愛される町の魚屋としての顔を維持しつつ、国内外の一流料理人がこぞって仕入れを希望する世界的名店に育て上げてきた。一匹の魚に命を懸け、試練を越えてきた不屈の半生に迫る。
サスエ前田魚店代表
前田尚毅
まえだ・なおき
昭和49年静岡県生まれ。水産高校卒業後、水産会社で荷受けや仲卸しを学び、平成7年家業であるサスエ前田魚店に入社。令和6年に代表取締役に就任。地域に愛される町の鮮魚店としての顔を維持しつつ、県外への販路拡大、寿司やどんぶりの提供など新たな施策を次々に推進。ミシュラン三ツ星の名店をはじめ、国内外の一流料理人から仕入れの依頼が殺到する繁盛店を築く。著書に『冷やしとひと塩で魚はグッとうまくなる』(飛鳥新社)『サスエ前田式 最高に旨い魚の仕立て術』(産業編集センター)がある。