国内最大の損害保険グループである東京海上ホールディングスは、天災や戦争など様々な試練を乗り越えながら143年の歴史を刻んできた。社員約4万人を擁するグループを社長、会長として牽引してきた永野 毅氏の歩みもまた、文字通り挑戦と創造の連続だった。世界初となる生保、損保の一体型保険を自ら開発し、有力商品の一つに育て上げたほか、社長として「To Be a Good Company」というビジョンを掲げ、売り上げやマーケットシェアを伸ばすという従来の考えを、社員の活力やお客様からの信頼を伸ばすという考えに転換。社員の意識を変革し実績に結びつけてきた。その永野氏にご自身の仕事観を交えながら、今日までの歩みを振り返っていただいた。
『TIME』誌の表紙を飾った各務鎌吉氏
東京海上ホールディングス会長
永野 毅
ながの・つよし
昭和27年高知県生まれ。50年慶應義塾大学商学部卒業。東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。営業や商品・サービス開発に携わった後、東海ブロックや海外事業担当の役員を務める。平成25年東京海上ホールディングス社長に就任。31年代表権のない会長に就く。