日本音楽界の巨星・小澤征爾氏が令和6年2月、世を去った。西洋音楽の伝統のない日本から、万国で愛される偉才はいかに誕生したのか。小澤氏が生涯の師と仰いだ桐朋学園オーケストラの産みの親、齋藤秀雄氏の存在はいかなるものだったのか。両氏と70年来の交流を持つ国際的指揮者・秋山和慶氏の談に、魂の相伝が感じられる。
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指揮者
秋山和慶
あきやま・かずよし
昭和16年東京生まれ。38年桐朋学園大学音楽学部卒業。翌年2月に東京交響楽団を指揮してデビュー、同団の音楽監督・常任指揮者を40年にわたり務める。その間、トロント響副指揮者、ヴァンクーヴァー響音楽監督(現・桂冠指揮者)等、世界の名立たる楽団に客演。令和6年に指者生活60周年を迎え、9月、東京にて記念演奏会を開催。