2020年に生誕180年、2021年に没後90年を迎え、その生涯がNHK大河ドラマに取り上げられるなど、大きな注目を集めている渋沢栄一。渋沢はなぜ「日本資本主義の父」として歴史に残る偉業を成すことができたのか、渋沢が目指した世界とはどのようなものだったのか。渋沢史料館館長として長年研究に取り組んできた井上 潤氏と、詳伝『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』を刊行した作家の北 康利氏に、渋沢の歩んだ道、そしていま私たちが学ぶべき教えについて語り合っていただいた(写真:渋沢栄一の傘寿【80歳】と子爵に昇格したお祝いを兼ねて、門下生の団体・竜門社より寄贈された「青淵文庫」の前で)。
作家
北 康利
きた・やすとし
昭和35年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券業務企画部長等を歴任。平成20年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)で第14回山本七平賞受賞。著書に『日本を創った男たち』(致知出版社)『思い邪なし京セラ創業者稲盛和夫』(毎日新聞出版)など多数。近著に『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)がある。
渋沢史料館館長
井上 潤
いのうえ・じゅん
昭和34年大阪府生まれ。明治大学文学部史学地理学科日本史学専攻卒業後、渋沢史料館学芸員として着任。学芸部長、副館長を歴任し、平成16年より現職。企業史料協議会監事、公益財団法人北区文化振興財団評議員、公益財団法人埼玉学生誘掖会評議員等も務める。著書に『渋沢栄一―近代日本社会の創造者』(山川出版社)『渋沢栄一伝―道理に欠けず、正義に外れず』(ミネルヴァ書房)などがある。