料理と野球――ここにそれぞれの道を一筋に歩み続けてきた二人の超一流プロがいる。和食の神様・道場六三郎氏、93歳と世界のホームラン王・王貞治氏、84歳。若い頃から心技体を錬磨して並外れた実績を上げ、高めた自分で以て後進を導きながらいまなお第一線で活躍し、業界のレジェンドとして存在感を放つ。その生き方はまさに「この道より我を生かす道なし この道を歩く」そのものだろう。共に長年の『致知』愛読者でもある二人の人間学談義から「人はいかにして大成するか」「勝負を制する要諦」「逆境に処する心得」を学ぶ。
福岡ソフトバンクホークス会長
王 貞治
おう・さだはる
昭和15年東京生まれ。34年早稲田実業高等学校を卒業後、読売ジャイアンツに入団。48年と49年三冠王。52年通算本塁打756本の世界記録を達成し、初の国民栄誉賞を受賞。55年通算本塁打868本の世界記録を最後に現役生活を終える。59~63年読売巨人軍監督。平成7年福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)監督就任(20年退任)。18年第1回ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表監督を務め、優勝へ導く。21年より福岡ソフトバンクホークス会長。著書に『野球にときめいて 王貞治、半生を語る』(中公文庫)など多数。
銀座ろくさん亭主人
道場 六三郎
みちば・ろくさぶろう
昭和6年石川県生まれ。25年単身上京し、銀座の日本料理店「くろかべ」で料理人としての第一歩を踏み出す。その後、神戸「六甲花壇」、金沢「白雲楼」でそれぞれ修業を重ね、34年「赤坂常盤家」でチーフとなる。46年銀座「ろくさん亭」を開店。平成5年より放送を開始したフジテレビ『料理の鉄人』では、初代「和の鉄人」として27勝3敗1引き分けの輝かしい成績を収める。17年厚生労働省より卓越技能賞「現代の名工」受賞。19年旭日小綬章受章。著書に『91歳。一歩一歩、また一歩。必ず頂上に辿り着く』(KADOKAWA)など多数。