人は一生のうち、どこまで精神を高めることができるのだろう。20代の頃から修行に打ち込み、比叡山で最も過酷とされる行の一つ、「十二年籠山行」の戦後6人目の満行者となった宮本祖豊師。2年前にがんが見つかり、昨年ステージⅣの宣告を受けたというが、その姿勢にはいささかの迷いも動揺もない。限りある命をどう生きるか。伝教大師最澄の教えを交え、現在の心境を吐露していただいた。
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比叡山延暦寺観明院住職
宮本祖豊
みやもと・そほう
昭和35年北海道生まれ。59年出家得度。平成9年好相行満行。21年比叡山で最も厳しい修行の一つである十二年籠山行満行を果たす(戦後6人目)。比叡山延暦寺円龍院住職、比叡山延暦寺居士林所長を経て、現在は同観明院住職、大講堂輪番職を務める。著書に『覚悟の力』(致知出版社)。