日本人の読書離れが叫ばれて久しい。2年前、文化庁が16歳以上の男女3000人を対象に実施した調査によれば、1か月に1冊も本を読まない人は何と47.5%にも及ぶ。これでいいのだろうか。知の巨人と称される上智大学名誉教授・渡部昇一氏と、約23万人の自衛隊を率いる統合幕僚長・河野克俊氏。無類の読書家として名高い2人がここに会し、読書を通じていかに人格を練り上げてきたか、心に残る古典の言葉、読書の意義などについて、縦横に語り合っていただいた。
統合幕僚長
河野克俊
かわの・かつとし
昭和29年北海道生まれ。52年防衛大学校卒業後、海上自衛隊入隊。海上幕僚監部防衛部長、海将、統合幕僚副長、自衛艦隊司令官などを経て、平成24年海上幕僚長就任。26年10月より現職。イージス艦事故や東日本大震災での危機対応、18年ぶりの日米ガイドライン改定など、指揮官としてリーダーシップを発揮している。
上智大学名誉教授
渡部昇一
わたなべ・しょういち
昭和5年山形県生まれ。30年上智大学大学院西洋文化研究科修士課程修了。ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学留学。平成13年から上智大学名誉教授。著書は専門書の他に『伊藤仁斎「童子問」に学ぶ』『日本の活力を取り戻す発想』『歴史の遺訓に学ぶ』など多数。最新刊に『渡部昇一一日一言』(いずれも致知出版社)。