8割の人々が病院で亡くなる日本において、在宅での看取りが半数という驚くべき地域が滋賀県東近江市にある。人口5,000人の永源寺地域である。2000年、永源寺診療所に赴いた花戸貴司医師は10年委上の歳月をかけて、地域ぐるみで高齢者や障碍者を支え合う「チーム永源寺」という組織をつくりあげた。地域の力を掘り下げ、そこに眠る宝を活かすことで、他で真似できない体制を築いてきた花戸医師にお話を伺った(写真/國森康弘氏撮影)。
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東近江市永源寺診療所所長
花戸貴司
はなと・たかし
昭和45年滋賀県生まれ。自治医科大学卒業後、大学病院勤務などを経て平成12年東近江市永源寺診療所所長に就任。著書に『ご飯が食べられなくなったらどうしますか? 永源寺の地域まるごとケア』(農山漁村文化協会)『最期も笑顔で 在宅看取りの医師が伝える幸せな人生のしまい方』(朝日新聞出版)など。