渋沢栄一と聞いて、まず『論語と算盤』を思い浮かべる人も多いことだろう。渋沢は経営という視点で『論語』を柔軟に読み解き、近代化の礎を築く上での指針とした。この名著に私たちが学ぶべきは何か。論語塾講師として、幅広い年齢層に『論語』の魅力を伝える安岡定子氏と、この書を野球指導や組織づくりに役立ててきた北海道日本ハムファイターズ前監督で、今回侍ジャパントップチーム監督に就任した栗山英樹氏に語り合っていただいた。
『論語と算盤』は大正5年に発刊された©国立国会図書館デジタルコレクション
公益財団法人郷学研修所、安岡正篤記念館理事長
安岡定子
やすおか・さだこ
昭和35年東京都生まれ。二松學舍大学文学部中国文学科卒業。安岡正篤師の令孫。「こども論語塾」の講師として、全国各地で定例講座を開催。『論語』ブームの火付け役といわれる。現在は大人向け講座や企業向けのセミナー、講演などでも幅広く活躍。令和2年より公益財団法人郷学研修所・安岡正篤記念館理事長。著書に『楽しい論語塾』『0歳からの論語』(共に致知出版社)など。
侍ジャパントップチーム監督
栗山英樹
くりやま・ひでき
昭和36年東京都生まれ。59年東京学芸大学卒業後、ヤクルトスワローズに入団。平成元年ゴールデン・クラブ賞受賞。翌年現役を引退し野球解説者として活動。16年白?大学助教授に就任。24年から北海道日本ハムファイターズ監督を務め、24年チームをリーグ優勝に導き、28年には日本一に導く。同年正力松太郎賞などを受賞。令和3年退任し、侍ジャパントップチーム監督に就任。著書に『栗山魂』(河出文庫)『育てる力』(宝島社)など。