緊迫する世界情勢、情報技術の劇的な進化に加え、このコロナ禍で経営を巡る環境は一層厳しさを増している。そうした中、日本を代表するメガバンクである三井住友フィナンシャルグループと、金融界に新たな地平を切り開いてきたSBIホールディングスによる包括提携が発表された。両社を率いる太田 純氏と北尾吉孝氏に、この異色の提携に懸ける各々の思いを交え、いかなる状況下でも挑戦を続けるお二人の情熱の源を探った(写真:SBIホールディングスの会議室に掛けられている扁額「融通四海」の前で)。
SBIホールディングス社長
北尾吉孝
きたお・よしたか
昭和26年兵庫県生まれ。49年慶應義塾大学経済学部卒業。同年野村證券入社。53年英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。野村企業情報取締役、野村證券事業法人三部長など歴任。平成7年孫正義氏の招聘によりソフトバンク入社、常務取締役に就任。現在SBIホールディングス代表取締役社長。著書に『何のために働くのか』『君子を目指せ小人になるな』(共に致知出版社)など多数。
三井住友フィナンシャルグループ社長
太田 純
おおた・じゅん
昭和33年京都府生まれ。昭和57年京都大学法学部卒業。同年旧住友銀行入行。平成21年三井住友銀行執行役員。27年には新設されたITイノベーション推進部の担当役員として、ベンチャー企業との協業やキャッシュレス決済事業を推進。29年三井住友フィナンシャルグループ取締役兼副社長。31年同グループ社長。