玉川祐子氏、100歳。いまなお舞台を務める現役の浪曲曲師である。明治初期より広く大衆に親しまれてきた浪曲は、語りを務める浪曲師と、三味線で伴奏をつける曲師が一体となってつくり上げる語り芸。17歳で入門したこの希有なる曲師を、今日まで突き動かしてきたものは何か。三味線携え歩みきた不惜身命、但惜身命の道のりを振り返っていただいた。
曲師
玉川祐子
たまがわ・ゆうこ
本名・中村りよ。大正11年茨城県生まれ。小学校を卒業後、奉公先で聴いた浪曲に魅了され、昭和15年浪曲師の鈴木照子に入門。17年曲師に転向し「高野りよ」として活動。玉川桃太郎と結婚後、「玉川祐子」に改名。100歳となったいまも現役を貫く。