日本人はインテリジェンスにあまりにも無知な民族である。しかし、情報こそが一国の命運を決する力になることを知らなくてはいけない。これは国際情勢を読む上での大事な常識なのだ——総選挙が終わった。今後、憲法改正論議は一層高まることだろう。しかし、憲法を改正できれば北朝鮮や中国の危機が乗り越えられると考えるのは早計である。日本には安全保障面で決定的に欠落しているものがあるのだ。インテリジェンス能力である。大東亜戦争の悲劇もまたそこに起因していたことを忘れてはならない。
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京都大学名誉教授
中西輝政
なかにし・てるまさ
昭和22年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、米国スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。平成24年退官。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。著書に『国民の覚悟』『賢国への道』(ともに致知出版社)。その他、『情報亡国の危機』(東洋経済新報社)『情報を読む技術』(サンマーク出版)、編著に『インテリジェンスの20世紀』(千倉書房)、訳書に『ヴェノナ』(PHP研究所)などがある。