巻頭の言葉

愛知専門尼僧堂堂頭

青山俊董あおやま・しゅんどう

仏道の為には命を
惜しむことなかれ、
また惜しまざることなかれ

2025年9月号

特集
人生は挑戦なり
人類の歴史はその誕生から、挑戦の歴史である。

いや、人類だけではない。宇宙もまた限りない挑戦を繰り返して今日に至っている、といえる。

これまで本欄でも何度か、宇宙と生命発展のプロセスについて述べてきたが、本特集を組むに当たり、その挑戦の歴史を改めて振り返ってみたい。

宇宙は138億年前、ビッグバンによって創られた、という。素粒子や中性子が飛び交う雲霧朦朧うんむもうろうたる状態の中で、やがて大気が冷え、物質の元となる原子が創られ、46億年前に地球が誕生、その地球だけになぜか水が生まれ、その水の中に単細胞生命が生まれた。そして25億年前、単細胞生命は雄雌に分かれた。雄が雌から放り出されたのである。ここから地球上の生命はマンダラのごとく、多種多様に発展し、やがて人類が誕生した。

人類の祖先は最初は木の上で暮らしていたが、ある時から地上に降り立ち、やがて2本足で歩き始めた。2本足で歩き始めたことで、手が自由になり、その手で道具を作り、技術力を高めていった。2本足で立ったこと──人類の挑戦はここに始まったといえる。

その後も人類は様々な挑戦を試みて、今日の世界を創った。
特集 人生は挑戦なり
連載
致知随想