日本洋菓子界の巨匠・河田勝彦氏が切り盛りするフランス菓子屋「オーボンヴュータン」。日本のフランス料理界を牽引してきた斉須政雄氏が腕を振るうフレンチレストラン「コート・ドール」。共に開店から40年、35年の節目を迎えるが、今日を築くまでにお二人が積み重ねてきた努力、仕事に懸ける情熱を余すところなく伺った(写真:コート・ドールの調理場にて。1日に最低4回の掃除がなされ、ステンレスが輝いている)。
河田氏も感動した「赤ピーマンのムース」はコート・ドールの看板メニューの一つ
オーボンヴュータン オーナーシェフ
河田勝彦
かわた・かつひこ
昭和19年東京都生まれ。米津風月堂を経て42年渡仏。9年間で12店舗に勤務し、49年「パリ・ヒルトン」のシェフ・ドゥ・パティシエを務める。帰国後、かわた菓子研究所を設立。56年東京都世田谷区に「オーボンヴュータン」開店。平成24年現代の名工に選出される。著書に『すべてはおいしさのために』(自然食通信社)など。
フランスでの修業時代(右から2人目が斉須氏)。12年間で料理人としての基礎を築いた
コート・ドール オーナーシェフ
斉須政雄
さいす・まさお
昭和25年福島県生まれ。48年渡仏し、12年間、複数の3つ星レストランで働く。56年から勤務する「ランブロワジー」は開店2年目で史上最速のミシュラン2つ星を獲得。61年東京都港区に「コート・ドール」を開店し、料理長に就任。平成4年からはオーナーシェフとして活躍。著書に『調理場という戦場』(幻冬舎文庫)など。