脳神経解剖学の権威であり、京都大学総長を務めた平澤興先生。浄土真宗本願寺派一行寺前住職の那須信孝氏は偶然の出会いから晩年の平澤先生と交流を始め、約10年にわたって師と仰ぎ親炙してきた。そして師との出会いにより、ご自身の生き方が大きく変わったという。今年(2025年)95歳を迎えた那須氏に、平澤先生の貴重な逸話を交えながら、その実像をお話しいただいた。
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平澤 興
ひらさわ・こう
明治33年新潟県西蒲原郡味方村生まれ。大正13年京都大学医学部卒業。新潟医科大学助教授を務め、欧米留学後同大学教授、21年招かれて京大医学部教授。26年学士院賞受賞。31年同大医学部長、32年総長となる。38年任期満了により退任。42年日本学士院会員。国際ロータリー265地区(現在は2650地区)ガバナー。45年勲一等瑞宝章受章。平成元年6月17日逝去。語録に『生きよう今日も喜んで』『平澤興一日一言』(共に致知出版社)。著書『論語を楽しむ』が令和7年7月に致知出版社より復刊。
浄土真宗本願寺派一行寺前住職
那須信孝
なす・のぶたか
昭和5年京都府生まれ。30年京都大学文学部卒業、34年大谷大学大学院修士課程修了、浄土真宗本願寺派一行寺住職などを歴任。著書に『曽我量深の教え 救済と自証~法蔵菩薩は誰か~』(新学社)の他、論文・法話集など。