古人曰く、「10年偉大なり。20年恐るべし。30年歴史なり。50年神の如し」。その50年を優に越し、60年もの間、沖縄の地で戦没者の遺骨・遺品収集に身を捧げてきた国吉 勇氏、77歳。これまでに掘り出した遺骨は約3,800柱、遺品は約13万点に及ぶ。その貴重な60年の歩みを振り返っていただいた。
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遺骨収集家
国吉 勇
くによし・いさむ
昭和14年沖縄県生まれ。6歳で沖縄戦を体験し、母親をはじめ5人の家族を亡くす。30年高校2年生の時から遺骨収集を始め、以来、仕事の傍らライフワークとして活動を続ける。掘り出した遺骨は約3,800柱、遺品は約13万点に及ぶ。平成28年3月、体力の低下から現役を引退するも、いまなお自宅の一室にある「戦争資料館」で、来館者や修学旅行生に沖縄戦の真実を伝えている。