自然界には存在せず、長年不可能の代名詞といわれてきた「青いバラ」。開発に成功し、商品化に至るまで実に19年の歳月を要した長い挑戦だった。その道程には、サントリーのDNAとも言える「やってみなはれ精神」があったという。研究開発のプロジェクトリーダーを務めた田中良和氏が語る開発の道のりから、運命をひらく秘訣に迫る。
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サントリーグローバルイノベーションセンター上席研究員
田中良和
たなか・よしかず
昭和34年兵庫県生まれ。58年大阪大学大学院理学研究科修士課程修了、サントリー入社。63年同大学にて理学博士号を取得。平成2年から青バラの開発プロジェクトに参画し、4年間、オーストラリアに駐在。帰国後、植物科学研究所長などを経て、25年より現職。