日本の禅文化の伝承者として世界に名高い鈴木大拙。その著作に綴られた言葉はいまも輝きを失うことなく、私たちに生きる知恵を授けてくれる。著書を通じて大拙の言葉を易しく繙いてきた大熊 玄氏と、20代の頃より大拙の思想研究に打ち込んできた蓮沼直應氏に、大拙の魅力と、残された言葉から学んだことを語り合っていただいた。
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科准教授
大熊 玄
おおくま・げん
昭和47年千葉県生まれ。立命館大学史学科卒業。金沢大学大学院文学研究科修士課程修了。同大学院社会環境科学研究科(博士後期)満期退学。インド・プネー大学留学を経て、石川県西田幾多郎記念哲学館専門員、副館長を歴任。平成27年より立教大学文学部大学院21世紀社会デザイン研究科准教授。著書に『鈴木大拙の言葉』(朝文社)『はじめての大拙』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『善とは何か:西田幾多郎「善の研究」講義』(新泉社)など。
臨済宗円覚寺派伝宗庵徒弟
蓮沼直應
はすぬま・ちょくよう
昭和60年東京都生まれ。平成7年向嶽寺派管長宮本大峰老師に就き得度、南禅寺派興慶寺徒弟となる。20年筑波大学第一学群人文学類卒業。26年筑波大学大学院一貫制博士課程哲学・思想専攻修了。円覚寺派専門道場に掛搭。横田南嶺老師の下で修行。現在、伝宗庵徒弟。博士(文学)。著書に『鈴木大拙 その思想構造』(春秋社)。