青雲の志。立身出世の志、と国語辞典にはある。大漢和辞典を編まれた諸橋轍次博士は、徳を修めて聖賢の地位に至ろうとする志、と解説されている。
青雲とは高い空とそこに浮かぶ雲である。どこまで行っても到達できない。手が届かない。それでもその雲を目指してあくまでも努力の歩みを続ける。青雲の志にはそういう意味もあるのではないだろうか。翻って言えば、理想に生きること、これこそが青雲の志ではないか、と本誌は考える。
『致知』は今年、創刊39周年を迎える。こんな堅い雑誌は誰も読まないと言われながら、いまでは『致知』の到着を心待ちにしてくださる愛読者が全国津々浦々に及んでいる。
先日、通勤電車を降りようとした際、一人の主婦らしき女性に、「『致知』の愛読者です」と声を掛けられた。