日本がまさに西洋化の波に呑み込まれつつあった明治時代——。失われゆく古きよき日本の心を、独特な感性と偏見のない公平な視座を持って、克明に書き記し続けたアイルランドとギリシアの血を引く小泉八雲。その波瀾に満ちた生涯と、いまを生きる私たちに遺したメッセージを、30年以上にわたって八雲と向き合い続けてきた早稲田大学教授の池田雅之氏に語っていただいた。
早稲田大学教授
池田雅之
いけだ・まさゆき
昭和21年三重県生まれ。早稲田大学英文科卒業後、明治大学大学院文学研究科英米文学博士課程満期退学。早稲田大学教授。専門は比較文学、比較基層文化論。著書に『ラフカディオ・ハーンの日本』(角川選書)、編著に『古事記と小泉八雲』(かまくら春秋社)、翻訳にラフカディオ・ハーン『新編日本の面影』『新編日本の面影Ⅱ』『新編日本の怪談』(いずれも角川ソフィア文庫)など多数。