「日本は2025年に再び甦る兆しを見せるであろう。そして2050年には、列強は日本の底力を認めざるを得なくなるであろう」。国民教育の師父と謳われた森信三師はその晩年、こう予言したという。残念ながら、深刻な内憂外患に直面する我が国にまだ明るい兆しは見えてこない。森師の言葉を真実にするために私たちは何を成すべきであろうか。弊誌でもお馴染みの數土文夫氏と田口佳史氏に、2050年に向け日本が貫いていくべきものを忌憚なく語り合っていただいた。
JFEホールディングス名誉顧問
數土文夫
すど・ふみお
昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。経済同友会副代表幹事、日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長を歴任し、令和元年より現職。著書に『徳望を磨くリーダーの実践訓』(致知出版社)。
東洋思想研究家
田口佳史
たぐち・よしふみ
昭和17年東京都生まれ。新進の記録映画監督としてバンコク市郊外で撮影中、水牛2頭に襲われ瀕死の重傷を負う。生死の狭間で『老子』と運命的に出合い、東洋思想研究に転身。「東洋思想」を基盤とする経営思想体系「タオ・マネジメント」を構築・実践し、1万人超の企業経営者や政治家らを育て上げてきた。配信中の「ニューズレター」は海外でも注目を集めている。主な著書(致知出版社刊)に『「大学」に学ぶ人間学』『「書経」講義録』他多数。最新刊に『「中庸」講義録』。