自身も様々な苦悩や悲しみを抱きつつ、人々の悲しみと静かに向き合っていった仏教者たち。親鸞と良寛はまさにその典型だろう。共に幼少期から悲しみを味わい、それを乗り越えてきた作家の青木新門氏と曹洞宗僧侶の中野東禅氏に、それぞれの人生体験を交えながら、親鸞、良寛の歩みや人間的魅力などを語り合っていただいた。
作家
青木新門
あおき・しんもん
昭和12年富山県生まれ。早稲田大学中退後、富山市で飲食店を経営する傍ら文学を志す。48年冠婚葬祭会社(現オークス)に入社。専務取締役などを歴任。平成5年葬式の現場の体験を『納棺夫日記』(文春文庫)として著しベストセラーに。また20年に『納棺夫日記』が原典となった映画『おくりびと』が第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。親鸞関係の著書に『親鸞探訪』(東本願寺出版)など。
曹洞宗僧侶
中野東禅
なかの・とうぜん
昭和14年静岡県生まれ。駒澤大学大学院修士課程修了。曹洞宗教化研修所修了。同所講師、大正大学講師、武蔵野大学講師、南無の会副総務、京都市竜宝寺住職などを歴任。現在可睡斎僧堂西堂。著書に『良寛 日本人のこころの言葉』(創元社)『「どん底目線」で生きる 良寛詩歌集』(NHK出版)『心が大きくなる坐禅のすすめ』(三笠書房)など多数。