寄生虫病などに罹った数億人の命を救ってきた特効薬イベルメクチンを開発し、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村 智氏。人生の山坂にも屈せず、日本の心を伝える童謡の普及に情熱を傾け続けてきた歌手の大庭照子氏。「世のため人のため」という志を胸にそれぞれの道を深めてきたお二人が語り合う、忘れ得ぬ出逢い、糧にしてきた言葉や教え、越えてきた艱難辛苦、その中から紡がれてきたわが人生の詩——。
北里大学特別栄誉教授
大村 智
おおむら・さとし
昭和10年山梨県生まれ。33年山梨大学学芸学部卒業。38年東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了。40年北里研究所入所。米国ウェスレーヤン大学客員教授を経て、50年北里大学薬学部教授。北里研究所監事、同副所長等を経て、平成2年北里研究所理事・所長。19年北里大学名誉教授。20年北里研究所と北里学園との統合により北里研究所名誉理事長(現在は北里大学特別栄誉教授)。27年ノーベル生理学・医学賞受賞。著書に『人をつくる言葉』(毎日新聞出版)『ストックホルムへの廻り道 私の履歴書』(日本経済新聞出版社)など。
NPO法人日本国際童謡館館長
大庭照子
おおば・てるこ
昭和13年熊本県生まれ。35年フェリス女学院短期大学音楽科声楽科専攻科卒業。46年NHK「みんなのうた」で『小さな木の実』を歌い童謡運動家の道へ進み、「大庭照子のスクールコンサート」を全国で開催。3,000校以上の学校を回る。現在はNPO法人日本国際童謡館館長として童謡を広める活動に力を尽くしている。