かつて志ある日本の若者たちは人生や学問の師を求めて全国を旅した。そうやって巡り合った師と弟子たちの魂の呼応が、時に我が国の歴史を大きく変革させたのも事実である。作家の童門冬二氏と京都大学名誉教授の中西輝政氏には、それぞれの師の思い出を交えながら、歴史上の人物たちの師弟関係について縦横に語り合っていただいた。
作家
童門冬二
どうもん・ふゆじ
昭和2年東京生まれ。東京都庁にて広報室長、企画調整局長を歴任後、54年に退職。本格的な作家活動に入る。第43回芥川賞候補。平成11年勲三等瑞宝章を受章。著書は代表作の『小説上杉鷹山』(学陽書房)をはじめ、『人生を励ます太宰治の言葉』『楠木正成』『水戸光圀』(いずれも致知出版社)『歴史に学ぶ成功の本質』(ロングセラーズ)『歴史に学ぶ「人たらし」の極意』(青春出版社)など多数。
京都大学名誉教授
中西輝政
なかにし・てるまさ
昭和22年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、米国スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。平成24年退官。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。平成2年石橋湛山賞。9年毎日出版文化賞、山本七平賞。14年正論大賞。著書に『国民の覚悟』『賢国への道』(ともに致知出版社)『大英帝国衰亡史』(PHP研究所)など。