約600年前の室町時代に能を大成したといわれる世阿弥。その著者である『風姿花伝』や『花鏡』に遺された言葉や教えは、いまなお多くの人々の心を捉え、仕事や人生を発展させるヒントに溢れている。30年以上にわたって能に向き合ってきた明治大学学長の土屋恵一郎氏に、世阿弥の言葉を紐解きながらその知られざる一面と創造性の根源を語っていただいた。
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明治大学学長
土屋恵一郎
つちや・けいいちろう
昭和21年東京都生まれ。明治大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士課程単位修得退学。法哲学を専攻する傍ら、能を中心とした演劇研究・上演の「橋の会」を立ち上げ、身体論、特に能楽・ダンスについての評論活動に取り組む。平成2年『能―現在の芸術のために』(岩波現代文庫)で芸術選奨新人賞受賞。芸術選奨選考委員(古典芸能部門)、芸術祭審査委員(演劇部門)を歴任。北京大学日本文化研究所顧問。『世阿弥の言葉―心の糧、創造の糧』(岩波現代文庫)『能、ドラマが立ち現れるとき』(角川選書)など著書多数。