対話を通じて相手の心を癒やしていくフィンランド発祥の「オープンダイアローグ」を実践し、精神的な問題を抱える多くの人々を回復へと導いてきた精神科医の森川すいめい氏。しかし、現在に至るまでには、父の家庭内暴力や愛する母の死、大震災での苦悩など、壮絶な体験があったという。人生の艱難辛苦、葛藤と向き合っていく中で、森川氏が辿り着いた自分らしく生きる心の持ち方、幸福な社会を実現する要諦とは――。
精神科医
森川すいめい
もりかわ・すいめい
1973年東京都生まれ。精神科医、鍼灸師。都内の医学部在学中の2003年にホームレスを支援するNPO法人「TENOHASI」を設立し、理事に就任。精神科医として幾つかの精神科病院に勤めたのち、都内のクリニックにて診療訪問を行う。フィンランド発祥の「オープンダイアローグ」を知り、現地でオープンダイアローグ養成コースを受講。2020年に日本の医師として初めてトレーナー資格を取得した2名のうちの1人となる。『感じるオープンダイアローグ』(講談社現代新書)など著書多数。