重度熱傷全身41%、手術回数33回、切除した皮膚1.5キログラム……16歳当時のバイク事故により、古市佳央氏が味わった痛苦の一部である。外見と手足の機能を損なう絶望は以後、心に長く影を落とした。その氏はいま、自らを世界一幸せと言い切り、生きる喜びを歌っている。何が心に光を点したのか。人生の悲劇はどうすれば肯定できるのか。
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講演家、歌手
古市佳央
ふるいち・よしお
昭和46年埼玉県生まれ。63年16歳の春、バイク事故で全身の41%に火傷を負い、生死の境を彷徨う。3年に及ぶ手術とリハビリを家族の支えを受けて乗り切り、退院。平成12年講演活動を開始。14年「オープンハートの会」設立。著書に『這い上がり』(ワニブックス)『君の力になりたい』(北水)がある。