明治初期、西洋の文物が一気に流入し国内は混乱の極みにあった。これを憂慮された明治天皇は「教育勅語」を発布して、この混乱を鎮められた。価値観の混乱により国家や家庭の根幹が大きくぐらついているという意味では現代もまた同様だろう。明治天皇が「教育勅語」をとおして指し示された父性的原理は、現代社会にとって学ぶべきものが多い。荒井 桂、伊藤哲夫の両氏にお話しいただいた。
郷学研修所、安岡正篤記念館副理事長兼所長
荒井 桂
あらい・かつら
昭和10年埼玉県生まれ。東京教育大学文学部卒業(東洋史学専攻)。以来40年間、埼玉県で高校教育、教育行政に従事。平成5年から10年まで埼玉県教育長。在任中、国の教育課程審議会委員並びに経済審議会特別委員等を歴任。16年6月以来現職。安岡教学を次世代に伝える活動に従事。著書に『山鹿素行「中朝事実」を読む』『「小學」を読む』『安岡正篤「光明蔵」を読む』『大人のための「論語」入門(伊與田覺氏との共著)』(いずれも致知出版社)など。
日本政策研究センター代表
伊藤哲夫
いとう・てつお
昭和22年新潟県生まれ。新潟大学卒業。国会議員政策スタッフなどを経て、保守の立場から政策提言を行う日本政策研究センターを設立。現在日本会議常任理事、日本李登輝友の会常務理事。著書に『明治憲法の真実』『教育勅語の真実』(ともに致知出版社)『経済大国と天皇制』(オーエス出版)『憲法かく論ずべし』(日本政策研究センター)など。