陶芸、彫刻、書や随筆など、生涯を通じて膨大な作品を残した陶芸家の河井寛次郎。我が国の近代工芸界にこれほど絶大な影響を与えた人はいない。類を見ない表現力に留まらず、その生き方や哲学的な言葉はいまなお多くの人を鼓舞し続けている。その河井寛次郎の辿った生涯や残した言葉を、寛次郎の孫であり記念館学芸員の鷺 珠江さんにお話しいただいた。
灯が一つ大きな闇に 穴をあけて居る
河井寬次郎記念館学芸員
鷺 珠江
さぎ・たまえ
昭和32年京都府生まれ。河井寬次郎の一人娘・須也子の三女として生まれる。同志社大学文学部卒業後、河井寬次郎記念館学芸員として勤務。祖父・寬次郎にまつわる展覧会の企画、監修や出版、講演会、資料保存などにも携わる。