鈴木大拙が亡くなって半世紀以上が経過したいま、その謦咳に接した人たちも数少なくなった。雑誌『禅文化』の編集などを通して大拙と接してきた西村惠信氏と、亡くなるまでの15年間、傍にいてその活動を支え続けてきた岡村美穂子さんはその貴重な証言者である。様々な逸話を交えてのお二人の対話から、人間味溢れる鈴木大拙の一面が明らかになる。
花園大学元学長
西村惠信
にしむら・えしん
昭和8年滋賀県生まれ。花園大学仏教学部卒業後、南禅寺僧堂柴山全慶老師に参禅。35年米国ペンデルヒル宗教研究所に留学し、キリスト教を研究。45年京都大学大学院博士課程修了。文学博士。花園大学教授・学長、禅文化研究所長などを歴任。平成30年仏教伝道文化賞受賞。『鈴木大拙の原風景』(大法輪閣)『禅語に学ぶ生き方・死に方』(公財・禅文化研究所)『キリスト者と歩いた禅の道』(法蔵館)など著書多数。
大谷大学元講師
岡村美穂子
おかむら・みほこ
昭和10年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。ハンター・カレッジ、コロンビア大学に学ぶ。『ザ・イースタン・ブディスト』編集員、大谷大学講師などを歴任。15歳の時にニューヨークで鈴木大拙と出会い、亡くなるまでその活動を支える。著書に『大拙の風景 鈴木大拙とは誰か』『思い出の小箱から 鈴木大拙のこと』(共に燈影撰書)など。