第2次長州征伐の危機から長州藩を救い、指揮官として1年で戊辰戦争を終結に導いた幕末の偉人、大村益次郎。村医者から一念発起して自らの運命を切り拓いてきた人生行路は、波瀾に満ちたものであった。軍事の天才として評価されてきた大村だが、それは彼の一面しか表していないと語るのが、大村益次郎研究の第一人者・山本栄一郎氏だ。永らく研究の進んでいなかった人物研究に新たな光を当てている山本氏に話を伺った(写真:靖國神社の境内に立つ高さ12メートルの大村益次郎の銅像)。
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山口県地方史学会理事
山本栄一郎
やまもと・えいいちろう
昭和37年山口県生まれ。神戸学院大学経済学部経済学科卒業後、地元企業に就職。山口歴史研究会会長、防府史談会理事などを歴任。著書に『幕末維新の仕事師「村田蔵六」大村益次郎』(大村益次郎没後150年事業実行委員会)など。