『論語』の「公冶長第五」に、こういう話がある。
孔子の弟子の中でも孔子が最も愛していた顔淵と子路がそばにいた時、孔子が言った。
「盍ぞ各々爾の志を言わざる──どうだ、お前たち、それぞれの志を言ってみないか」
すると、まず子路が答えた。
「願わくは車馬衣輕裘、朋友と共にし、之を敝りて憾むこと無からん──車でも馬でも衣服や毛皮の外套でも、友だちと一緒に使って、それを破られても恨みに思うことがないようになりたい」
次に顔淵が言う。
「願わくは善に伐ること無く、勞を施すこと無からん──善いことをしても自慢せず、苦労や嫌なことを人に押しつけて自分だけが楽をしようとすることのないようにしたい」