深刻化する学力低下、若者の読書離れ、教育現場の荒廃、迷走する教育行政……。様々な難題・課題を抱える日本の教育は、まさに危機の渦中にある。いかにして日本の教育を立て直し、変化激しい時代を逞しく生き抜く子供たちを育てていけばよいのか。その処方箋を、長年学校教育に携わり、後進の育成にも情熱を注ぐ野口芳宏氏と、心理学者・教育者として日本の教育現場の現状に警鐘を鳴らしてきた榎本博明氏のお二人に、縦横に語り合っていただいた。
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後進に自らの体験を伝える野口氏
授業道場野口塾主宰
野口芳宏
のぐち・よしひろ
昭和11年千葉県生まれ。33年千葉大学教育学部を卒業後、国・公立小学校の教諭に。平成4年校長に就任。8年定年退職し、北海道教育大学教授に。13年退官。現在は植草学園大学名誉教授を務める傍ら「授業道場 野口塾」を主宰し、現役教師の指導に取り組む。著書に『教師の心に響く55の名言』(学陽書房)『授業づくりの教科書道徳授業の教科書』(さくら社)『名著復刻 授業で鍛える』(明治図書出版)など多数。
心理学博士
榎本博明
えのもと・ひろあき
昭和30年東京都生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。著書に『伸びる子どもは〇〇がすごい』(日経プレミアムシリーズ)『教育現場は困ってる―薄っぺらな大人をつくる実学志向』(平凡社新書)など多数。