当日は寒空の下、多くの方が遠路はるばるお越しくださり、受付開始の11時までに約300名がお並びになりました。冒頭、昨年9月に行われた『致知』創刊45周年記念式典の模様を映像で振り返り、その感動が会場を包んだところで開講となりました。
愛知専門尼僧堂堂頭・青山俊董氏
「天地いっぱいにいただいたお働きの中で生かされていることに気づき、天地いっぱいにお返しする」
【演題】生かされてご恩返しとして生かして生きる
第一講の講師は、5歳から禅を修め、卒寿を迎えられた青山俊董師。祖師たちから学んだ修行の心得に始まり、私たちがいかに深遠な天地の理の中に生かされているか、それに気づいて報いていく道を、釈迦の教えを交えて説かれました。九十路に差し掛かり立て続けに大病を患われるも、その苦難を「南無病気大菩薩」と拝む心境に至られた老師のひと言ひと言が心に沁みわたりました。
作家・五木寛之氏
「人生の深い悲しみ、暗愁こそ人間の根源的なエネルギーになる」
【演題】暗愁のゆくえ
第二講は本誌連載でもお馴な染じみの作家・五木寛之氏が登壇。ユーモアに富んだ近況報告で会場を沸かせ、話題は能登半島地震へ。何かしたくても何もできないもどかしさを吐露され、かつて日本人の心にはそうした目に見えない"暗愁"があった。人々はそれを胸に秘め、不遇の時代を生きてきたと指摘されました。心の負のエネルギーをどうプラスに昇華するか。
人生の下り坂で自らの葛藤を見つめ、生き方を模索し続ける姿に勇気をいただきました。
致知出版社社長・藤尾秀昭
日本人の〝心のふるさと〟を失わない
【演題】先達に学ぶ
第一部の殿は弊社社長・藤尾秀昭が務めました。初めにゲスト講師2名の生き方の共通点を挙げつつ、『致知』45年の歩みを通して得た実感を「天才とは天の力を借りられる人、本業に無我夢中である人」という言葉に込めて熱く語りました。また、常岡一郎氏をはじめ様々な苦難を乗り越えた先達や古典の教えを紹介しながら、この国難の時代にこそ人間学を学んで日本人の根底に流れる清らかな地下水脈、"心のふるさと"を守り抜いていくことの大切さを説きました。
締め括りには、長野県で給食事業を展開し、『致知』をテキストにした勉強会「社内木鶏会」に長年取り組まれている㈱ミールケアの有志合唱団が唱歌「ふるさと」を斉唱。来場者と声を揃え、心を一つに高め合ったところで終講となりました。
ミールケア合唱団による唱歌「ふるさと」の斉唱は会場全体に響き渡り、感動の渦に包まれた
2023年3月号にて表紙を飾っていただいた盆栽作家・小林國雄氏の代表作の一つ、黒松「武蔵」が特別に展示された